★★★キャリアコンサルタントについての調査レポート★★★
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントとは、就職を希望している人に対し、相談にのりアドバイスや支援をするお仕事です。
例えば「転職したい」と漠然と考えている人、新卒でまだ社会の事がよく分からない人に対して、その人の適正や能力などを見極めることが大切な要素です。
また、再就職者に対しては経験に応じた職業能力開発を行うことが出来なくてはいけません。最近では定年退職後のシニア世代が相談に来るケースも多く、広い世代とのコミュニケーション能力が必要とされる仕事です。
こういった相談を総じてキャリアデザインと呼び、その人それぞれのキャリアデザインを支援できる職業をキャリアコンサルタントと呼びます。
キャリアコンサルタントの資格
キャリアコンサルタントの資格は、これまでにさまざまな民間資格がありました。しかし、平成28年4月からは国家資格となります。(厚生労働省管轄)
これにより、国家資格を持たない方はキャリアコンサルタントやそれと紛らわしい名称を名乗ることは法で禁じられることとなります。
(紛らわしい名称…キャリア・コンサルタント、キャリアコンサルタント○○、○○キャリコン、キャリアコンサルなど。)
この紛らわしい名称の禁止は平成28年9月からで、それ以降は30万円以下の罰金が科せられます。
キャリアコンサルタントの資格を取るためには
ここでは、平成28年4月からの新制度についてご説明したいと思います。まず、受験資格。
@厚生労働省大臣の認定する講習を140時間終了した者。
A実務経験(労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発向上の相談に従事した経験を指します)3年以上の者。
@は、養成講座や通信講座などで受講可能です。
Aは、それぞれのケースに応じて個別に判断される予定とのことですが、就業希望者への相談の経験(ハローワーク、学校など)が3年以上でしたら問題ないでしょう。
キャリアコンサルタントの試験内容
大まかに分けて下の項目の知識が問われます。
- キャリアコンサルティングの社会的意義
- キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
- キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
- キャリアコンサルタントの倫理と行動
- その他キャリアコンサルティングに関する項目
◆試験実施機関
厚生労働大臣が登録した機関が行う予定です。実施機関は28年4月以降に決定し、決定次第、厚生労働省のホームページや特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会で告知される予定とのことです。
◆受験手数料
実技試験 | 29,000円 |
学科試験 | 8,900円 |
を上限として予定されています。(平成28年2月現在)
◆試験合格後の登録
キャリアコンサルタント試験に合格すると、指定登録機関への登録が必要になります。
登録手数料 | 8,000円 |
登録免許税 | 9,000円 |
登録証の再交付または訂正 | 2,000円 |
◆登録後の更新
登録後も5年ごとに講習を受けて更新する必要があります。
- キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な知識の維持を図るための講習(8時間以上)
- キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な技能の維持を図るための講習(30時間以上)
◆さらに上の資格へ
キャリアコンサルタント試験に合格し、指定登録機関への登録が済ませた方の中には、さらに『技能検定キャリアコンサルティング職種2級・1級』と上の資格を目指す方もいます。しかしそれは、資格保持と同時に実務経験も問われる狭い門でもあるようです。
- 2級に必要な実務経験…キャリアコンサルタント試験合格後3年以上
(キャリアコンサルタント試験合格以前からコンサルティング業務に従事していた場合は合計5年以上) - 1級に必要な実務経験…キャリアコンサルティング職種2級合格後3年以上
(キャリアコンサルタント試験合格以前からコンサルティング業務に従事していた場合は合計8年以上)
なお、これらの情報はすべて平成28年2月現在のものです。
最新の情報は厚生労働省のホームページ、もしくは特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会を参照するのが確実かと思われます。
キャリアコンサルタントのメリット・デメリット
国家資格の有資格者ということで、正社員として採用されれば、ある程度の待遇は得られるかと思います。
中には、企業で経験を積んだのちに独立する方も多いようです。しかしながら、需要は決して多くはなく、その多くはパートタイムでの仕事であることも現実です。
また、悩む人に寄り添う仕事であるため、人の気持ちを理解しつつも流されない強さが必要となります。
人に接することが好きな人には非常にやりがいのある仕事である反面、人への共感力が強すぎれば自分がまいってしまいます。共感力がなければ相談者が離れてゆきます。
資格を取る前に、自分に向いているかどうかを見極める必要があると言えるでしょう。
キャリアコンサルタントの年収
平均でみると比較的低いのがキャリアコンサルタントの年収の特徴です。
300万〜400万が約20%
200万〜300万が約16%
中には1,000万円以上という方も8%ほどいるようですが、これは大企業の人事など、ごく一部の方が得られる待遇のようです。
残りの過半数はパートタイムや派遣、NPO法人など。決して高収入が期待できる仕事というわけではないのが現実のようです。
ただし、経験をつめばよりよい待遇の会社に転職することもでき、今後は国家資格化するにあたり状況も変わってくる可能性もあるかと思われます。
【参考記事】
⇒紹介予定派遣で派遣社員から正社員雇用へ