仕事しながら転職活動をする方法
転職をしようと考えた時、現在の仕事を辞めてから転職活動を始めた方がいいのか、それとも仕事を続けながらした方がいいのか、悩んでしまう方も多いかと思います。
そこで、今回は仕事をしながら転職活動をする方法やメリット・デメリット、注意点などについて詳しく調査していきたいと思います。
仕事をしながら転職活動するメリット
収入の心配がない
仕事を辞めてから転職活動を行う場合、次の仕事が決まるまでは、収入が無い状態になります。自己都合で退職した場合、失業手当がもらえるのは3カ月後なので、仕事が決まるまでの間、家賃やローン・食費・生活費などを貯蓄から捻出しなければいけません。
家族を養っている方にとってこの負担は、さらに大きいものになります。その点、毎月の給料をもらいながらの転職活動であれば、収入面での心配は不要です。
余裕をもって活動できる
仕事をしながらの転職活動は、次の仕事をいつまでに決めなければならない、といった期限がないため、心に余裕を持ってじっくりと行うことができます。逆に仕事を辞めてしまった場合、早く仕事に就かなければという焦りから、希望ではない仕事でも妥協して決めてしまうことにもなりかねません。
失業期間がない
転職活動を始めたからといって、すぐに次の仕事が決まるとは限りません。運よく1ヶ月で決まることもあれば、数ヶ月〜1年以上かかってしまうこともあるでしょう。
採用試験の際、あまりにも長い失業期間はマイナスポイントになることがあります。その点、次の就職先が決まってから退職すれば、失業期間もなくキャリアが途絶えることもありません。
前職が辞めやすくなる
能力がある方の場合、退職を申し出ても会社や上司の引き止めにあい、なかなか辞めることができない場合があります。しかし、転職先が決まっている場合、転職先の入社日を理由に、比較的スムーズに辞めることができます。
仕事をしながら転職活動するデメリット
転職活動だけに集中できない
仕事を続けながらの転職活動の場合、活動時間を十分に確保することが難しくなります。現在の仕事をおろそかにするわけにはいかないので、時間的にも精神的にも転職活動だけに集中することができません。
スケジュール管理が難しい
現在の仕事と並行しながらの転職活動の場合、活動できる時間が休日や就業時間外に限られます。そして多くの企業は、採用試験や面接を就業時間内に行うため、有休を取るなどしてスケジュールの調整をしなければいけません。
急募の求人に対応できない
求人の中には、すぐに入社できることが条件のものもあります。仕事をしながら転職活動を行っている場合、上司への報告や引き継ぎなどを考えると、通常1週間や2週間で辞めることはできません。自分が希望している求人が急に出てきた場合、仕事をしながらの転職活動の場合は対応が難しいでしょう。
仕事をしながらの転職活動のやり方
休日に集中して行う
仕事をしながらの転職活動の場合、実際に活動ができるのは就業時間外ということになります。しかし、就業後も残業や付き合いがあり、まとまった時間をとるのは難しいのではないでしょうか。
そのため、新しい仕事について考察や、履歴書・経歴書などの作成は、休日にじっくりと時間をかけてするのがおすすめです。
転職エージェントを活用する
仕事が忙しく、自力で転職先を探す時間がとれないという方は、転職エージェントの利用もおすすめです。転職エージェントは、事前の登録やカウンセリングでスキルや職歴・希望などを伝えておけば、自分に合った仕事を探して紹介してくれます。
また、面接日や面接時間・入社日などの細かい交渉もしてくれるので、スムーズな転職活動をすることができます。ほとんどの転職エージェントは無料で登録することができるので、積極的に利用するかどうかは別として、転職活動を始める際に登録しておいて損はありません。
仕事をしながら転職活動するときに注意すること
転職活動をしていることを知られないようにする
仕事をしながら転職活動をする際は、同僚や上司に知られないようにすることが大切です。転職活動をしていることを知られてしまうと、社内での立場が悪くなり、仕事がしづらくなることもあるからです。
やむを得なく就業時間中に電話やメールをしたり、営業の空き時間を利用して面接を受けたりする場合は、細心の注意が必要です。また、転職サイトなどに会社のメールアドレスを登録することも絶対にやめましょう。
時間を厳守する
仕事をしながら転職活動をする際は、現職においても、転職先の面接などにおいても時間を守ることは絶対です。会議などが長引いて面接に遅れたり、逆に面接が長引いて打ち合わせや商談に遅れたりすることはあってはなりません。
余裕をもったスケジュールを組んで、どちらにも迷惑がかからないようにすることは、転職活動をする上で絶対に守るべきルールです。
ボーナスを貰う前の転職と貰った後の転職ではどっちがいい?
転職を考えたことはありますか?その場合、ボーナスを貰う前の転職と貰った後の転職、どちらがいいのかを比較してみました。
もちろんボーナスを貰ってから会社を退職したいと思うのが本音でしょう。しかし、そこを目的としてしまっては、転職のタイミングを逃してしまい、転職先でのボーナスも貰えないと言ったこともあり得ます。
企業によって賞与支給の規定も違いますので確認どころはたくさんあります。ぜひここを見てどちらがより良いかを確認してください。
周りの印象
〇WIN:ボーナスをもらう前の転職
こちらは単純に、ボーナスを当てにせず、自分の意思とタイミングでの退職という潔い印象になります。
周りから「ちゃっかりボーナスをもらってから辞めたよね」なんて言われることもなさそうです。
×LOSE:ボーナスをもらった後の転職
人間の心理ですが、もらえるものなら貰いたいですよね。
ボーナスをもらってすぐの退職は周りから「ボーナスをもらうだけもらって辞めたね」なんてことも陰でいわれるかもしれません。辞めてしまえば毎日会うこともありませんが、なんとなく気が引けそうです。
ボーナスにかかる社会保険料
ボーナスから差し引かれる「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」についての対決です。
×LOSE:ボーナスをもらう前の転職
社会保険料についても、給与と同じように差し引きされるので、払い損という気もしますが、ボーナスでもらえる金額を考えると貰わないほうが不利という結果になりました。
またわずかなことですが、厚生年金保険料を収めるかどうかで、将来的にわずかだとは思いますが年金額にも影響が出てきます。
〇WIN:ボーナスをもらった後の転職
社会保険料は差し引きされてしまいますが、それでももらったほうが得ということで、こちらの勝利です。また厚生年金保険料については、健康保険料や雇用保険料とは違い、多く収めたほうが将来的に有利になるので、その点でもわずかではありますが有利になりそうです。
転職先でのボーナス
×LOSE:ボーナスをもらう前の転職
転職先の会社によりますが、転職してすぐにボーナスが出る会社ばかりとは限りません。
通常ボーナスとは半年間しっかりと勤務した対価としてもらえることがほとんどなので、使用期間や半年に満たない場合、もらえないか、もらえたとしても寸志程度ということも多々ありそうです。
〇WIN:ボーナスをもらった後の転職
上記のように転職先でボーナスがもらえるとは限りません。おそらく元の会社でボーナスをもらって辞めるということは、転職先もすでにボーナスの支給時期が終わっていると思われます。
転職先でのボーナスは期待できませんが、元の職場でのボーナスをもらった分、こちらのほうが得ということになります。
翌年の住民税
○WIN:ボーナスをもらう前に転職
住民税は、前年の収入(給与所得)に応じて金額が決まります。よって収入が多ければ多いほど、翌年納める税金が高くなります。
ボーナスも給与等の所得に含まれますので、ボーナスをもらうことで翌年の住民税に影響が出ると考えられます。
翌年の住民税に限って言えば、もらわずに転職をし、転職先でも初回はまとまったボーナスをもらわないというケースが有利です。
×LOSE:ボーナスをもらった後に転職
ボーナスも給与等の所得に含まれ、その金額に応じて翌年度の住民税が決まります。そのため、ボーナスをもらうことで給与等の所得が増え、その結果、翌年度には少し多めの住民税を納めることになる可能性があります。
結局、ボーナスをもらう前ともらう後の転職活動はどっちがいいのか?
ボーナスを貰う前の転職ともらった後の転職、どっちが良いのかというテーマでの対決でしたが、今回はボーナスをもらった後の転職のほうが良いという結論にしたいと思います。
理由としては以下のことが挙げられます。
- 総合的に計算して、もらえる金額が多くなること
- 天引きされるものの中には厚生年金保険料が含まれ、払い損ではなく、将来の年金額に多少なりともプラスの影響があること
- 翌年の住民税への影響が懸念されるものの、「転職」を想定していれば収入もあるはずで払えない金額ではないこと
- 気になる周りの目も、辞めてしまえばわからないであろうこと
今回のテーマについては、転職先、転職時期などによっても結果が異なる部分が大きいものです。
ボーナスをもらって退職、1〜2か月のうちに新しい会社での勤務スタートという想定で、「ボーナスをもらった後の転職」に軍配があがりました。
「ボーナスをもらって転職」が一番の理想だとは思いますが、その点にこだわりすぎて良い転職先を見逃し、現在の会社の同僚や上司への礼儀を忘れてしまって後味の悪い退職になることのないように、自分の転職への目的を常に忘れないように転職活動に取り組んでもらえたらと思います。
円満に退職するためには
報告すべき人の順番を守る
円満に退職するためには退職の報告をする順番が大切です。最初は直属の上司に報告し、上司の了解を得てから社長や同僚・部下などにどのように報告するかを決めましょう。
同僚や親しくしている顧客などを通して上司の耳に入ってしまっては、上司の立場がなくなり好ましくありません。最後まで上司を尊重し、気持ちよく退職できるようにしましょう。
引き継ぎをしっかりとする
転職先が決まり退職届を提出したら、すぐに引き継ぎの準備を始めます。業務内容や仕事のスケジュール・顧客の連絡先など必要なことを分かりやすくまとめた資料を作成し、データや資料などは、必要な人が分かる場所に保管しておきます。
また、後任者を連れての顧客へのあいさつ回りなどもしっかり行い、自分が辞めたあとも仕事が円滑に回るようにしましょう。
仕事しながら転職活動と仕事を辞めた後の転職活動対決
転職を考えた場合、仕事をしながら転職活動をした方いいのか、仕事を辞めた方がいいのか、これは一番悩むことだと思います。
そこでどちらがいいのかを徹底比較。在職していると十分な時間が取れず、相手の会社も本気で転職したいのかを疑う場面もあるかもしれません。
しかし、退職してしまうと自分自身が今後について不安になりますね。メリットデメリットをよく考え、どうするかを考えましょう。
こちらもご参考に⇒転職活動の準備について
活動時間に余裕があるのはどっち?時間面対決
LOSE:仕事をしながら転職活動
まずやはり就職活動には時間がかかります。普段から忙しい社会人にとって時間がいくつあっても足りません。ですので、休憩時間に電話で面接のアポをとったり、有休をとって面接に行ったりと、仕事をしながらの転職活動は時間に余裕がないと思います。
〇WIN:仕事を辞めた後の転職活動
人生において仕事に費やされる時間は3割と言われています。その仕事を辞めたのですから、時間に余裕があると言えます。
転職活動における資金 経済面対決
〇WIN:仕事をしながらの転職活動
今まで通り仕事をしているのですから収入は変わらないので、生活においてのお金の心配はないと思います。ただ時間に追われているため、就業時間後に面接とかの場合、残業が出来ないなどで多少なりとも影響は出てくると言えます。
LOSE:仕事を辞めた後の転職活動
こちらの場合仕事を辞めているのですから勿論収入がありません。失業保険などがありますが、すぐにもらえることはできませんので必然的に当面の生活費や活動資金(例えば面接会場までの交通費など)は貯金から切り崩すはめになります。経済面からみますと苦しいと思います。
ハラハラ・ドキドキ 精神面対決
〇WIN:仕事をしながらの転職活動
転職活動の準備に時間がなかなかとれなくて、志望企業へアプローチがうまくできないまま終わるなどフラストレーションをためがちになりそうですが、生活においてのお金の心配がないので家族に迷惑をかけないという安心感があります。
LOSE:仕事を辞めた後の転職活動
時間に余裕があり転職に必要な資格も取りやすく、志望企業への下調べや面接の準備も念入りにできます。しかし、不採用になったときのストレスが大きく、それらが長引くと意欲も減退し応募のハンディにもなりえます。しかも、自己管理が甘いと生活習慣が乱れ、家族も心配になります。
履歴書の書きやすさ対決
△DROW:仕事をしながらの転職活動
在職中の履歴書の書き方はどう書けばいいのでしょう?書き方は至ってシンプルです、在職中と明記するだけです。{平成○○年 ○月 株式会社○○ 入社 現在在職中}このように記載すると面接官に伝わるでしょう。
△DROW:仕事を辞めた後の転職活動
こちらも特に違いはなく特記する部分はないでしょう。ただ、退職日から期間があいてるとかだと印象が悪くなりますが履歴書の書きやすさでは同じと言えます。
転職時に必要書類は?手続きのしやすさ対決
〇WIN:仕事をしながらの転職活動
転職に伴う税金・保険・年金の手続きを会社間で行うので自分で行う必要はありません。とてもスムーズに転職できます。
LOSE:仕事を辞めた後の転職活動
転職に伴う税金・保険・年金の手続きを自分で行う必要があります。役所に行き国保に加入し、失業手当を受給するためにハローワークに行き手続きなどを自分で行う必要がでてきます。
仕事をしながらか仕事を辞めてなのか、結局どっちのほうがよいのか?
個人的にも客観的にみても仕事をしながらの転職活動が良いと思います。たしかに、仕事を辞めていれば自由に時間がつかえるため転職の準備や勉強ができ専念できると思います。
しかし、会社を辞めるリスクが大きすぎます。生活費や転職に必要な費用と何をするにもお金が必要になってきますので、貯金を切り崩すことになり、早く転職先を決めなければと焦りが生じ、結果判断が鈍り妥協をすることが予想されます。
そうなるとまた転職となりかねませんので、時間はかかると思いますが仕事をしながらの転職活動がいいのではないかと思います。
とある転職経験者に対して行った調査によりますと、「仕事をしながらの転職活動」が47%、「仕事を辞めてから転職活動」が53%とほぼおなじという数字が出ているそうです。
このデータでは、どちらかを選ぶかは本人の環境や考えかたによるところとなりますでしょうか。
以上のことから仕事を辞めるリスクが大きいことと周りにも過度な心配をさせないためにも、仕事をしながらの転職活動のほうがよいという結果になりました。
参考→転職するならハローワークと転職エージェントのどっちがおすすめ?
まとめ
仕事をしながらの転職活動は、活動時間自体が制限されるため、スケジュール管理の面ではかなり大変かもしれません。
しかし、いつまでに仕事を決めなければいけないといったプレッシャーや、収入面での心配がないことは、かなり大きなメリットと言えます。
そして万が一、転職活動がうまくいかなかったとしても、仕事を続けていれば、一旦クールダウンしたあとに転職活動を再開するか、または今の仕事を続けるという選択をすることも可能です。
長期戦覚悟でじっくりと転職活動を行いたい方、家族がいる方、収入の心配をしたくない方には、仕事をしながらの転職活動がおすすめです。